
復路も同様に当日発券で行きます。JALとANAの2社で、伊丹・関空・神戸発便を候補に挙げましたが、唯一の未訪問空港であること、B6WL運航であることに惹かれ、神戸発のANAに決定しました。しかし、この日は関東で雷雨が発生し、航空交通が大荒れする見込みとなっていました。そしていざ搭乗すると、とんでもない事態に巻き込まれることとなったのです。
- Today's flight
- 関西空港から神戸空港への船旅
- 出発までのひととき、二転三転する出発時刻
- いよいよ搭乗!
- 出発!
- 機内でのひととき
- 雲行きが怪しくなる…?
- 降機
- 関空ターミナルにて
- 空港で野宿を試みる
- 嵐の夜が明けて…
- Flightradar24より
Today's flight
- 航空会社: 全日本空輸 (ANA)
- 便名: NH416
- 出発地: 神戸 (UKB)
- 出発時刻: 21:15
- 到着地:東京/羽田 (HND)
- 到着時刻: 22:30
- 所要時間: 1.15
- 機種: B767-300ER (JA622A)
関西空港から神戸空港への船旅

出発4時間前、私は関空のスカイビューにいました。これから神戸空港に向かいます。

まずはスカイビューからバスで関空のターミナルに到着。関空は訪問したことがありますが、その事実はあれど記憶はないので、新鮮な気持ちで散策します。

出発ロビーの1つ下の階は飲食店やショップが並びます。これだけ見るとどこかのショッピングモールにも見えなくはないですが、ベンチには外国人が大勢寝転がっていたりなど、国際空港らしい一面もしっかりあります。

それでは神戸空港に向かいましょう。まずはバスでフェリーターミナルに向かいます。

フェリーターミナルに到着。こちらの船で神戸空港まで向かいます。

航海中、良い感じに日が沈んでくれました。関西圏は良い天気ですが、関東では雷雨が発生しているようで、羽田の発着便にも影響が出ているようです。我々のフライトはどうなるか、期待と不安を抱きながら、海を進んでいきます。

35分ほどで神戸空港のフェリーターミナルに到着。ここからは川崎や横浜でよく見かけるカラーリングのバスで、神戸空港に向かいます。
出発までのひととき、二転三転する出発時刻

初訪問の神戸空港。見慣れた関西エアポートのロゴが出迎えてくれます。

今回の旅程では伊丹、関空という順で関西の空港を訪れてきましたが、神戸空港はそれらに比べローカル感があって落ち着きます。

羽田よりも主張が強いスカイマークです。

お腹はそれほど空いていなかったですが、いちおう食べておきましょう。

ちなみにこちらのお店、讃岐うどんとありますが、これがちょっとした伏線になります。覚えておいてください。

展望デッキに行きましょう。

デッキの中央には謎の巨大ブロッコリーが鎮座しています。神戸空港、変わったセンスしてます。

駐機場には本日の搭乗機が到着していますね。1000機目の767として知られるJA622Aです。大荒れの羽田からどうやって到着できたのかと思ってしまいますが、このフライトは羽田→新千歳→伊丹→函館→伊丹→新千歳→神戸→羽田という運用のラストフライトに当たる区間で、午後から夕方にかけて発生した羽田の雷雨の影響は受けないのでした。

デッキから反対方向を見てみると、神戸の街明かりが見えるようです。今回は空港だけの訪問でしたが、いつか行きたいですね。

ここでフライト遅延のメール。1時間ほどの遅延とのことですが、今日中に帰れるなら良いでしょう。しかし、この通りに飛んでくれる保証はどこにもありません。雷雨により地上作業を停止していた羽田も、作業が再開し、離着陸も徐々に再開しているようなので、我々も無事に着陸できることを願います。

ここで、本日の搭乗券です。

それでは保安検査を通過しましょう。

電光掲示板による出発時刻は21:30となっています。あのメールの後、また出発時刻が変更されたのでしょうか。
いよいよ搭乗!

保安検査を通過。開封済みのペットボトルは、なぜかカバンに入れたままスルーでした。良いのでしょうか。
さて、こちらの制限エリア内も中規模地方空港と似たつくりです。

航空会社ラウンジはありませんが、カードラウンジはあるようです。

最終的には21:30出発に向けて、21:10頃には搭乗開始となりました。4日ぶりのB6WL搭乗です。

乗り込みます!

まずはビジネスクラス、もといプレミアムクラスです。コロナ禍には松山からのフライトで普通席として乗ったわけですが、現在はプレミアムクラスとして運用されています。35席も用意されたプレミアムクラスですが、空席には余裕がありそうです。

そしてエコノミー、もとい普通席です。787の初期導入機材にも採用された “Fixed Back Shellスタイル” シートですが、今では絶滅危惧種となっています。

着席しました。中央3列の通路側です。ゴツゴツな印象を受ける座席背面ですが、これがなかなか機能的で大好きなんです。モニターのUIもこのデザインが落ち着きます。

それにしても客観的に見ればなんとも直角なシート。コロナがなければこの機材でモスクワへの就航が実現したわけですが、恐ろしいものです。


安全のしおり

気分はまさに国際線深夜便です。
出発!

767には機外カメラが搭載されているようで、座席モニターではその映像を見ることができます。通路側席なのでありがたいことです。
予定していた21:30にはプッシュバックしまして、順調に滑走路までやってきました。しかし滑走路手前で停止し、機長からアナウンス。羽田の管制からの指示で、離陸が21:50頃と指示されたため、しばらく待機とのこと。
その後、21:50を待たず滑走路に進入したかと思えば、すぐに離脱。どうやら後続のスカイマーク那覇行きを先に離陸させるため、道を譲ったようです。

そして無事に離陸。西側のRWY09から東方向に離陸し、すぐに右旋回し西に機首を向けます。

夜の明石海峡大橋が美しく輝いています。ここからさらに右旋回し、針路を東京方面に向けます。高度を獲得するための距離稼ぎですが、神戸発はかなり露骨です。

フライトレーダで見るとこのようになります。
機内でのひととき

水平飛行に入りまして、羽田に向かっていきます。

通路側のメリットは、機内散策に行きやすいことですね。水曜だからでしょつか、今日の搭乗率はそれほど高くなく、かなり過ごしやすいです。

ドリンクサービスは、いつもならアップルジュースやコンソメスープを頼むところですが、アナウンスで「期間限定」と案内されたタリーズのアイスコーヒーが気になったのでそちらをオーダー。これがかなり美味しいもので、ゴクゴク飲めてしまいました。
雲行きが怪しくなる…?

羽田に向かっていたはずの搭乗機ですが、知多半島の上空で旋回が始まりました。機内Wi-Fiが使えず羽田の着陸機の様子が分からなかったのですが、これは嫌な予感がしますよ。

旋回待機は20分以上、5周もしたでしょうか。ここで機長アナウンス。
「羽田空港周辺は想定以上に雷雲が強く、羽田空港への着陸ができない状況です。この便は残燃料を考えまして、この時点で残念ながら関西国際空港に目的地を変更しての飛行が決定しました。」
ということで、人生初のダイバート決定であります。

この便には国際線に乗り継ぐであろう外国の方も搭乗しており、かなりお気の毒な状況であります。その一方で明日の予定が特にない私は、このイレギュラーな状況をどこか楽しんでいるようではあります。しかし乗務員や地上係員にとって、過酷な夜の幕開けになっていることは事実です。

関空が見えてきました。

数時間前までいた関空に、いま着陸しようとしています。

内側の滑走路、06Lに着陸しました。
降機

オープンスポットに到着。ベルトサインが消えると、乗客はいつものように降機の準備をします。

しかしターミナルまでのバスが到着していないということで、いったん着席を指示されます。

バスの手配に予想以上の時間がかかるようで、CAさんがドリンクサービスを開始しました。

化粧室の利用も可能ということで、席を立ってみます。すでに日付を回っておりますが、機内に大きな混乱は見られず、皆さん落ち着いています。

ここでANAから補償のメールを受信しました。5万円相当の補償金がいただけるそうです。1泊2日の旅行はほとんどタダ、もしかしたら黒字という事態になりました。

待つこと40分以上、お迎えのバスが到着。ようやく降りられそうです。

長い時間を過ごした機内ともお別れです。

階段を下ります。

深夜の関空に降り立ちました。

翌朝に備える国際線の飛行機も確認できます。

おや、なぜ再び機内に…?飛行機を降りたものの、バスの定員を超過し、わずか数人が取り残されてしまいました。CAさんの計らいで、機内で待機させていただけることに。クレードル座席にどこでも座り放題という贅沢な空間です。いったん降りた客を機内に再び入れるというのは、保安上問題ないのか疑問は残りますが、気にしないことにします。

再びバスがやってきまして、たった数人の客を乗せてターミナルへ出発します。このスタアラ塗装機は関空から羽田に出発したものの引き返した機体だと記憶しています。

これらも全てダイバートしてきた機体です。
関空ターミナルにて

閑散とした出発ロビーに通されます。

関空からの国内線は圧倒的に沖縄と札幌が目立ちます。

手荷物受取所は多くの人で溢れています。我々のフライトは関空への到着こそ早かったですが、オープンスポットであったがゆえにターミナル到着は那覇便などに先を越されました。
こちらのエリアはANA便のみ扱っているようです。JAL便は別の手荷物受取所が案内されたのでしょうか。

神戸便の荷物はすでにターンテーブルから下ろされており、こちらに置かれています。

さて、ダイバートした各フライトが再び羽田に向けて運航されるのか、関空で運航打ち切りなのか、案内を受けておりませんでした。

状況がわからない私はとりあえずこの場にしばらく留まることにします。ダイバート機の動向などを調査しながら時間を過ごします。関空にやってきたのはANA機が多いように感じます。他にもセントレアに向かった便もあるようです。中には羽田に向かっていたANAの国際線もこちらに着陸したようですが、その後羽田に向けて再び出発していきました。
さて、こちらで過ごすこと2時間、状況に変化はなさそうだったので、外に出る決断をします。
空港で野宿を試みる

思った以上に長い時間を手荷物受取所で過ごしてしまったようで、外に出た頃には深夜3時近くになっていました。もちろん電車やバスなどの運行はなく、関空から脱出する手段はタクシー以外ありません。空港内のすべてのベンチは、関空で夜を明かす決意をした客で埋まっています。

空港ホテルも空いていないでしょうし、ここは私も空港内を散策し、どこかで仮眠をとれるスペースがないか探してみます。

国内線出発ロビーにも人が溢れます。

マクドナルドは営業中。空港で夜を明かす人たちの駆け込み寺になっています。

すき家もありますね。

国際線出発ロビーにやってきました。こちらは驚くほど人がおらず、荘厳とした空気が漂っています。

これ以上彷徨っていても仕方ないので、出発ロビーの端っこで横になることにします。

ここで、明日の東京までの移動手段を確保します。こうなったら旅の延長戦を楽しもうと、あえて岡山発のANA便を予約することにしました。

それでは空港野宿を実践しましょう。お土産の紙袋で多少のプライバシーを確保し、衣服の袋を枕代わりとしまして、就寝環境を整えます。午前4時、就寝です。
嵐の夜が明けて…

朝7時すぎ、チェックインにやってきた国際線旅客のスーツケースの音で目が覚めました。関空にはいつも通りの朝がやってきました。昨日起こったことは全て夢だったのではないかとさえ思ってしまいます。そしてスマホにはANAから何件かメールが届いているのでチェックします。

代替フライトとして予約していた岡山発便について、補償のお知らせ?飲食費として1000円の補償ということで、何時間か遅延するのでしょうか。

え、欠航ですか?

補償金15000円が追加で頂けてしまうようです?
というわけで、ダイバートにより目的地に辿り着けず、代替フライトも欠航という、踏んだり蹴ったりな状況に見舞われました。さぁどうしましょう。

国内線出発ロビーに降りました。就寝中、同行者がANAから毛布を借りていただいたようで、こちらに返却させていただきます。

これから出発するという旅客の波をかきわけ、まずは関空を脱出します。
Flightradar24より
































































































































































































































































































































































































































































